本当にこんなので釣れるの?
2015年頃だった思いますが、初めてその商品を見たときの印象はそんな感じでした。
当時はショアジギングで使うメタルジグの使い方と言えば、ロッド操作でしゃくり上げ、海中でジグを躍らせるジャーク系か、ヒラヒラと落として誘うフォール系が一般的というか、いずれにしてもロッドでジグを操る釣りがショアジギングだと思っていました。
なのに、そのメタルジグのパッケージに書かれた謳い文句はただ巻くだけ。
特別なロッドアクションは必要無く、ただ巻いているだけで多魚種が釣れるというのだから、「おいおい、まじかよ。そんな簡単に釣れるわけないだろう」と懐疑心を抱きつつ、結局買ってしまいルアーケースの中に潜ませていました。
今でこそただ巻き系のジグなんて珍しくないですが、当時は???な不思議なルアーでした。
商品の名前は、ショアフリップ。
ギアラボというところから出ています。
(出典:ギアラボ)
現在はフリップという名前に変わっていますが、リアに重心がいくスタイル、多面的なフォルム、到底ベイトのシルエットには見えないこのルアーがただ巻くだけで魚のバイトに結びつくの? とただただ疑問でした。
その疑問が払拭され、このルアーのもつポテンシャルに一気に引き込まれた一戦がありました。
佐田岬半島のショアジギングで、様々なルアーをキャストしても釣れない状況下、諦めモードの中ショアフリップを試し投げで使ってみることにしました。
完全に気を抜いていて、よそ見しながらテキトーにリールを巻いていると、
ゴゴッ グイーーー
「!? ふぁっ!?」
あ
記念すべきショアフリップの初物。
使い方は、ただ、巻いているだけ。
高速で巻き取っていたわけでもなく、ロッド操作していたわけでもなく、ただリールのハンドルを回していたらバイトに繋がりました。
使っていたリールが16セルテートHDモデルの4000SHなので、1回転あたり110cmもラインを巻き取れる超ハイギア設定でしたが、巻取りはスローペースで、ルアーをしっかり見せて釣る、という感じでした。
(出典:ギアラボ)
現在販売されているフリップは、20g~150gと実に豊富です。
フロントとリアに、最初からアピール力を高めるフィルム付きのフックが標準装備されているのも嬉しいです。
もともとは船のオフショアで使う、タングステン仕様の「マイクロフリップ」というルアーがあり、1つ2,000円前後という価格でした。
それを安価な鉛に替えて、おかっぱりで使いやすい価格に抑えたのが今回紹介するフリップとなります。
(出典:ギアラボ)
ただ巻きで、魚を狂わす!
このフレーズのもつ意味を実感してからは、ショアジギングの定番ルアーになりました。
ただ巻きで釣れますし、ロッドアクションをしても、もちろん釣れます。
表層を泳がせばシイラも喰いつくルアーです。
巻いているときのフリップのスイミング姿勢がフィッシュイーターの食い気を誘うのでしょうか。
なんだか説明し難い魔力が魚のバイトに繋げてくれます(笑)
フリップのただ巻き特性は、ベイトタックルとの相性が良いのかなぁ、なんて思ったりして、ベイトショアジギングでは積極的にこのルアーを使っています。
上手く型にはまってくれて、カンパチの子やブリの子が立て続けにヒット。
しゃかしゃか巻いて、止めてフリーフォール、着底したらまたしゃかしゃか巻いて・・・
他の”釣れそうな”ただ巻きルアーと比べると、とても地味で不思議なルアーですが、
実釣の成績は抜群のショアジギングにおすすめなメタルジグ=フリップ。
ロッドアクションが不慣れな初心者の方にも扱いやすいので、ぜひ試してみてください。
個人的には、メタルマルで使われているブレードとフックをリアにつけることをおすすめします。
フラッシング効果がさらなる集魚効果を高めてくれ、このように青物のヒットにつながりました。