最近シーバスロッドをいろいろ試しています。
軽量で扱いやすく、ルアーMAX50g以下のロッドパワーMHクラスで、テトラ帯で魚とやり取りしていてのされないバットパワーのある、10フィート程度のシーバスロッドでベイトモデルのやつ。
という条件で探しています。
マニアックだから選択肢の少ないこと笑
グーグルで調べものをしていると、「Gクラフト ヤマガブランクス 比較」という検索ワードがあったりして、自社窯でブランクを製造している2社のシーバスロッドが気になっている人が多いのかなという印象を受けました。
ちょうど2社ともベイトモデルで10フィート超えかつルアーMAX45gというシーバスロッドが存在していたので、比べてみることにしました。
写真上 Gクラフト セブンセンス モンスターサーフMSB-1072-TR
写真下 ヤマガブランクス バリスティック103MH NANO
どちらも派手な装飾の無い、無骨な黒いロッドです。
モンスターサーフMSB-1072-TR
【オープンエリア シューティングスペシャル】
外洋に面したサーフをメインに大型スズキ族を狙い、中型ミノー(120mm〜140mm)からバイブレーション(21g〜28g)、30g前後のシンペンにて反転流など流速の中で標準となる28g前後の飛距離の稼げるルアー全般が扱い易く、流れや引き抵抗に負けないティップと楽に遠投できる反発させ易いテーパーと46tの曲がり始める位置を調整し、反発力と張りを持った超軽量パワーブランクを設計。
全長 1.7フィート
自重 182g
ルアーMAX 45g
ラインMAX PE1.5号
価格 65,000円
バリスティック103MH NANO
磯での使用をメインに想定したパワーベイトモデル。荒磯における逆風下でのヒラスズキ、瀬戸などの潮流場で狙う磯マルなど、厳しい条件下でのガチンコ勝負で必要なパワーとファイトレスポンス、キャスタビリティーをブランクに詰め込みました。ライナーでのピンポイントキャスト、着水からの立ち上がりスピード、瀬際での高いリフト力、潮目や離岸流への送り込みなど、ベイトタックルの利点を存分に味わえます。更に磯だけでなくサーフでの大ヒラメ狙いにもオススメで、ジグやバイブ、ワームなどのリフトアンドフォールも高レスポンスで楽しめます。スピニングよりワンランクパワーを上げたラインを使用しつつ、同等、もしくはそれ以上の繊細なゲームを展開したいアングラーに最適なパワーロッドに仕上がりました。
全長 1.3フィート
自重 191g
ルアーMAX 45g
ラインMAX PE2.5号
価格 52,500円
バット部分はバリスティックのほうが太いです。
一方でベリーからバットにかけてよく曲がる(入り過ぎる)のもヤマガブランクスというインプレ記事もあったりするので、このあたりはキャストや魚とのやり取りに対する2社の設計思想の違いがあるのかもしれません。
リール上部にくるフロントグリップが大きくて握りやすいのはバリスティック。
セブンセンスシリーズはバット部分に向かって細くなるテーパー仕様。ラインと干渉するのを防ぐほか、パーツ重量を抑えるのに一役買っていると言えるでしょう。
セブンセンス(左)はシャープに絞っている部分があって全体的に細身。
グリップが太く一直線なのがバリスティック(右)。
万人に握りやすいデザインはセブンセンスかもしれない。
リールシートとトリガー部分は2社ともに似ている形状。
素材に滑り止め加工を施しているセブンセンス(左)のほうが、価格も高いだけあって使い勝手が良い。
リールを固定するナット部分は、
セブンセンスはフロントグリップ固定でナット部分だけ回すタイプ。
バリスティックはフロントグリップを回すことで一緒に可動するタイプ。
個人的にはセブンセンスのグリップ周りが好み。
ナットを目いっぱい回しても上部のフロントグリップがストッパーになるセブンセンスのほうがストレスフリー。
ガイドについては、元ガイドとその上のガイドがダブルフットガイドになっているのは両社共通。
左側のセブンセンスはさらにティップ側ブランクとの継部分もダブルフットガイド。
セブンセンスMSB-1072-TRの場合、ダブルフットガイド3つとシングルフットガイド7つの10ガイド。
バリスティック103MHの場合、ダブルフット2つとシングルフットガイド8つの11ガイド。
糸抜けの良さと強度で優れるダブルフットガイドと、軽さとブランクの曲がりの良さに優れるシングルフットガイド。
ガイドセッティングに明確な答えは無いですが、このあたりも2社の設計思想の違いが伺えるポイントでしょう。
ジョイント部分周辺。
セブンセンスはブランクに平織カーボンと呼ばれる補強を施している。
バリスティックはブランクにスレッドを巻いて補強しているほか、ジョイント部がカーボン調なのも補強の一環?
上がセブンセンスMSB-1072-TR
下がバリスティック103MH
ロッドを繋いだ状態での重量バランス。
バリスティック103MHは元ガイドに近い位置までいかないと重心が取れない。
先重り感が強いので、合わせるリールを重くしてバランスを取らないと疲れやすい。
セブンセンスMSB-1072-TRは手元近くに重心がきている。
ロッドのバランスが良いのはセブンセンスかな。
どちらもよく似た外観のブランクですが、仕上げに大きな違いがあります。
セブンセンス(左)はざらざらした表面が特徴のアンサンドフィニッシュ(無研磨・無塗装仕上げ)のロッドです。
ロッドのベースとなる芯にカーボンシートを巻き付けテーピングで圧着し、そのテーピングを除去した際に残った跡(凸凹状態)を研磨や塗装することなく仕上げたものです。
アンサンドフィニッシュの利点としては、
塗装が無いので軽い。
研磨でブランクを削っていないので強度がある。
凹凸によって水切れが良く、ラインがブランクにべたつきにくい。
などがあるようです。
なによりこのデコボコが光の反射で魅せる姿が格好良くて好きです。
一方でバリスティックは塗装による仕上げをしており、これが先重りにも繋がっているのかもしれません。
研磨・塗装仕上げをしているロッドの利点としては、
塗装によりブランクが保護されている。
これに尽きるでしょう。
岩肌がゴツゴツして傷つきやすい磯場という環境下で使用するには、塗装仕上げによるロッドのほうがより安心できると思います。
ガイド径はバリスティック103MHのほうが大きい。
ヤマガブランクスの動画では、カルコン301にPE2号と40lbのショックリーダーを5ヒロ入れて使っていましたが、ロングリーダーでも糸抜けが良く、巻き取るときもガイドに結束部分が引っ掛かりにくくなっています。
セブンセンスMSB-1072-TRでは25lbのショックリーダーの結束部分がトップガイドに引っ掛かり巻き取れなかったので、ロングリーダーにするならもっと細くするか、トップガイドの外に出るくらいの短さにする必要があります(メーカーが推奨しているキャスト方法)。
実際にさまざまなルアーを投げ比べしてみました。
リールは22ジリオンTWHDにSVブーストスプールで、PE0.8号+ショックリーダー4号。
ブリーデン メタルマル(40g)
シマノ TGサルベージ(26g)
ジャンプライズ ベビーロウディ95S(16g)
シマノ ゴリアテ95F(12g)
ラパラ カウントダウンアバシ7(11g)
字幕表示オン推奨です。あ時間
セブンセンスMSB-1072-TRは、40gのルアーを投げるにはティップが入り過ぎていて、よっこらしょ感が強い印象。快適感は薄い。
26g~11gのルアーではさすがのキャストフィール。
しなり具合については、再生速度を遅くすることで確認してみてください。
バリスティック103MHでは、26gのルアーをキャストしている途中でバックラッシュ。残念ながら全部のルアーを投げ切ることはできませんでした。
40gのルアーを投げた感じでは、しっかりキャストしきれていた印象。重たいものを扱う分には、セブンセンスMSB-1072-TRよりも優れていると感じました。
それぞれのロッドでどれだけ飛ばすことができたのか、飛距離の測定もしていたのですが、バックラッシュしてしまったことで中途半端に終わってしまいました。
結局のところどっちが良いの?と訊かれたら、
ロングリーダーを扱うならバリスティック103MH
根が深くない場所でルアーを泳がせるならセブンセンスMSB-1072-TR
魚を掛けたことがないのでまだ実釣での差は分かりませんが、そこも比べることができたら記事にまとめてみたいと思います。